日付のない便り

日々のとりとめのない覚書 映画や読書 そして回想

新型コロナウイルスによって、突然暇ができた高校生の息子のための映画案内 洋画篇31〜48

 

Ⅳ おかわり、あと一杯!  洋画篇31〜48

 1から30まで見直してみた。うーん。この選択は少しじじむさいか。でも、実際じじいが選んだのだから、仕方がないか。では、最後の一杯はボリュームたっぷり!

 

31 ジョーズ(1975年 アメリカ)監督:スティーブン・スピルバーグ

 ロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、ロバート・ショウ

 巨大人喰いザメとの戦いを描いたパニック映画の傑作。とにかく、怖かった。怖がらせ方が実に上手い。見えない恐怖、少し見える恐怖、見えてしまった恐怖、と怖さの波状攻撃で、劇場で見た時は、観ていてこちらもパニックになった。

ジョーズ (字幕版)

 

32 ローマの休日(1953年 アメリカ)監督:ウィリアム・ワイラー

 オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック

 この間、何十年かぶりに、テレビで見た。オードリーを見ているだけで幸せな気分になれる。この映画での彼女の愛らしさ、美しさは、今デビューしたとしても世界を席巻できる特別のものだな、と確信した。この現代のおとぎ話は、映画が続く限り、色あせることはないだろう。

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33 スクール・オブ・ロック(2003年 アメリカ)

監督:リチャード・リンクレイター

 ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック

 なんとも楽しい、ミュージカルコメディ。ロックなどとは全く無縁の私でも、見ていくうちに、体がうずくような気分になってくる。主演のジャックブラックは演技も歌も実に達者で、グイグイ引っ張られた。

スクール・オブ・ロック (字幕版)

34  草原の輝き(1961年 アメリカ)監督:エリア・カザン

 ナタリー・ウッド、ウォーレン・ベイティ

 随分、昔の恋愛映画だが、この映画が描く、様々な障壁にぶつかりながら、一途に燃えあがる恋の行方とそのほろ苦い結末は、今も変わらぬ普遍性を持って迫ってくる。青春の終わりを暗示するラストシーンが印象的だ。

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35 胸に輝く星(1957年 アメリカ)監督:アンソニー・マン

 ヘンリー・フォンダ、アンソニー・パーキンス

 新人保安官の成長物語で指南役が賞金稼ぎのヘンリー・フォンダ。「サイコ」で名を残したアンソニー・パーキンスはこのころは青春スターとして輝いていた。「友情ある説得」「緑の館」、サガンの「ブラームスはお好き」を映画化した「さようならをもう一度」など、手足が長い、どこか頼りないが一途で真っ直ぐな青年を好演していた。この西部劇も、どこか青春映画の趣きがあって心に残っている。

 

ヘンリーフォンダ『胸に輝く星』ポスタ-

 

 

 

36 ノッティングヒルの恋人(1999年 イギリス)監督:ロジャー・ミッシェル

 ヒュー・グラント、ジュリア・ロバーツ

 有名なハリウッド女優とごくごく平凡な書店主の青年のラブ・ストーリー。ユーモアたっぷりで、小粋な台詞やエピソードで綴られていく物語は、見ているうちに、ほのぼのとした共感を巻き起こす。ヒュー・グラントの個性は、なかなか得難い。ノッティングヒルの恋人 (字幕版)

 

37 帰らざる河(1954年 アメリカ)監督:オットー・プレミンジャー

 マリリン・モンロー、ロバート・ミッチャム

 マリリン・モンローの映画では、これが一番好きだ。武骨なロバート・ミッチャムとその息子、しがない酒場の歌手のマリリン・モンロー。なんとも、しっくりする組み合わせ。川下りのシーンや酒場で歌うシーンなど、印象的な場面が多い。どの場面でもマリリン・モンローから目が離せない

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38  離愁(1973年 フランス)監督:ピエール・グラニエ=ドフェール

 ロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニアン

 この映画の頃の、ロミー・シュナイダーの美しさは尋常でない。時に妖艶、時に清冽、「夕なぎ」「追想」と目を奪われるほどの美しさだった。特に、この映画のラストシーンは胸を突く表情を見せる。第2次大戦中の悲劇を扱った秀作だが、またロミー・シュナイダーの映画でもある。

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39 ペーパー・ムーン(1973年 アメリカ)監督:ピーター・ボグダノヴィッチ

 ライアン・オニール、テータム・オニール、マデリーン・カーン

 随分前に一度見ただけなので、実は細部はよく覚えていない。ただ、こまっしゃくれたテイタム・オニールと頼りない二枚目の詐欺師ライアン・オニールの旅路がほのぼのしていて、満足して劇場を出た記憶がある。

ペーパー・ムーン (字幕版)

 

40 太陽がいっぱい(1960年 フランス・イタリア)監督:ルネ・クレマン

 アラン・ドロン、モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ

 アラン・ドロンの出世作。貧しく野心に燃えた青年と、勝手気ままな富豪の息子。全く境遇の違う二人の青年の相克とそれによって引き起こされる犯罪。あくまでも青い空、ギラギラと照りつける太陽、軽快に波を切って進むヨット、密かにたぎる黒い感情。アラン・ドロンの飛び抜けた美貌が、この映画を特別な犯罪映画にしている。

 

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41 道(1954年 イタリア)監督:フェデリコ・フェリーニ

 ジュリエッタ・マシーナ、アンソニー・クイン

 粗暴な旅芸人と男に奴隷として買われた女ジェルソミーナ。哀切な音楽とともに、聖なる女ジェルソミーナの悲劇が語られていく。フェデリコ・フェリーニの世界的な傑作。高校生には敷居が高いが、背伸びした方が良い場合も多い。

道(字幕版)

 

42 静かなる男(1952年 アメリカ)監督:ジョン・フォード

 ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ

 舞台はアイルランド。引退した元プロボクサー、ジョン・ウェインがアイルランドに帰郷する。勝気な行き遅れの娘モーリン・オハラと恋をするが、因習にとらわれた村では、なかなかスムーズに進まない。美しい風景の中で繰り広げられるユーモアにあふれた、浮世離れしたストーリー展開が楽しい。やっぱり、ジョン・フォード+ジョン・ウェインは鉄板。

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43 交渉人 (1998年 アメリカ)監督:F・ゲイリー・グレイ

 サミュエル・L・ジャクソン、ケヴィン・スペイシー

 殺人の罪を着せられた腕利きの人質交渉人サミュエル・L・ジャクソンは、罠にハマったと気づき、人質をとって立てこもり、交渉人として他地区の辣腕交渉人ケヴィン・スペイシーを指名する。交渉人対交渉人。二人の俳優の強烈な個性がぶつかり合って面白い。サスペンス映画の秀作。

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43 クイーン(2006年 イギリス)監督:スティーヴン・フリアーズ

 ヘレン・ミレン、マイケル・シーン

 なんといっても、ヘレン・ミレン。私は、今、このイギリスの女優に虜にされている。役柄によって、まったく違う女を完璧に演じることができる稀有の女優だ。この映画でも、女王の戸惑い、危惧、孤独を繊細に演じている。

 

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44 情婦(1957年 アメリカ)監督ビリー・ワイルダー

 マレーネ・ディートリヒ、タイロン・パワー、チャールズ・ロートン

 原作はアガサ ・クリスティの戯曲「検察側の証人」。この映画のトリック、見巧者なら、簡単に見抜くのだろうが、私はすっかり騙された。マレーネ・ディトリヒのしたたかで妖しげな魅力、チャールズ・ロートンの時に鬱陶しく感じるほどの貫禄に満ちた演技。見応えのある法廷ミステリー。

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45 アイリスへの手紙(1989年 アメリカ)監督:マーティン・リット

 ジェーン・フォンダ、ロバート・デ・ニーロ

 パン工場に勤める中年女性と非識字者で、読み書きができないが故に、転職を繰り返している男の極めて不器用な大人の恋物語。デ・ニーロの主演する「タクシー・ドライバー」も「ディア・ハンター」も名作なのだろうし、「帰郷」や「ジュリア」のジェーン・フォンダの演技は素晴らしいのだろうが、実はあまり覚えていない。この小品で、非識字者であることが、わかってしまう場面の二人の演技は心に残っている。大甘な結末も含めて、人に見せたくなる映画だ。

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46 男たちの挽歌(1986年 香港)監督:ジョン・ウー

 チョン・ユンファ、レスリー・チャン、ティ・ロン

 とにかく、チョン・ユンファ!初めて見た時、うわっ、小林旭(知らないか!)だ、と叫びそうになった。香港ノワールの代表作。だから、まあ、ギャング映画、というか、ヤクザ映画というか。ただ、演技もアクションも、ストーリーもとにかく熱い。これ、シリーズ化されたが、あえて載せることに。

男たちの挽歌(字幕版)

 

47 終身犯(1962年 アメリカ)監督:ジョン・フランケンハイマー

 バート・ランカスター、カール・マルデン

 終身犯でありながら、獄中で、迷い込んできた雛鳥を育て、刑務所にいながら鳥類学者になった数奇な男の人生を描いている。独房絡みえる小さな青空が印象に残っている。後半の、バート・ランカスターは哀切な運命とその中で見つけ出した小さな喜びを、静謐に演じている。地味だが、深く考えさせる映画。

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48 レ・ミゼラブル(1957年 フランス)監督:ジャン=ポール・ル・シャノワ

 ジャン・ギャバン、ベルナール・ブリエ、ブールヴィル

 日本も含めて、数え切れないくらい映像化されているが、映画版、テレビドラマ版も合わせてこれがベストではないか、という話である(私が見た覚えがあるのは、映画がリーアム・ニーソン版、ヒュー・ジャックマン版、テレビがリノ・ヴァンチュラ版、ジェラール・ドパルデュー版、そして、いまNHKで放送しているドミニク・ウェスト版、そして、フジテレビで放映したディーン・フジオカ版)。この傑作小説は、それだけ作りたいという意欲を駆り立てる魅力があるのだろう。

 もう、何年も前に、テレビで見たのだが、ジャン・ギャバンの演じるジャン・ヴァルジャンの重厚さは格別であろう。この作品、主要人物のキャスティングが殊更重要だが、ジャン・ヴァルジャンに関していえば、無類の怪力ということが風体でなるほどと思わせないと、先に進めない。機会があれば、どの版であろうと、ぜひ一度は見て欲しい映画。

 

 

レ・ミゼラブル ニューマスター版 [DVD]

 

 

後記:

 勝手に映画案内でした。以下、未練がましく次点です。

「鉄道員」「華氏451」「夜の大捜査線」「天使にラヴソングを」

「悪魔のような女」「追想」「さらば友よ」「お熱いのがお好き」「レディ・バード」「理由なき反抗」「愛の嵐」「最強のふたり」「グリーン・マイル」

「アフリカの女王」「イヴの総て」「宇宙戦争 2005年版」「狼たちの午後」

「喝采」「悲しみよこんにちは」「恋のゆくえ フェビュラス・ベイカー・ボーイズ」

「さらば愛しき女よ」「自転車泥棒」「シンシナティ・キッド」

「落ちこぼれの天使た地」「素晴らしき哉、人生」「ニキータ」「ハスラー」「パピヨン」「パンチライン」「ブラス!」「我が道を往く」「レベッカ」「麗しのサブリナ」「黄色いリボン」

                                 等々

 

                    お粗末さま!