何日か前の記事で載せた外郎が、我が家では異例の好評。褒められること少なき者は、ついつい図に乗って、では第2弾をなどと意気込んでしまう(続ければ、すぐに飽きられるのだが)。
そこで、今回は前回の甘納豆をのせたものとは別に、りんごとサツマイモを入れたものに挑戦した。
作る前に、外郎について、軽く調べてみようか、などと、最近はすっかり失せていた勉強心が働いて、今は図書館が閉まっているので、ネットを漁ったのがいけなかった。
外郎はなかなか奥が深いらしい。
外郎というと、私は、名古屋、を思い浮かべるのだが、どうやら、この蒸し菓子は全国的に作られているようだ。しかも、歌舞伎十八番に、確か「外郎売」というのが、あったな、などということをにわかに思い出したりして、妙にテンションが上がってしまった。
私は、レシピを『米粉で作るうれしい和のおやつ』(森崎繭香 著)で知ったので、外郎はどこでも米粉で作っているのだと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
名古屋はうるち米からできる米粉だが、お隣りの伊勢は小麦粉、神戸は米粉に葛粉を加えたもの、山口はわらび粉を使って生地をつくるらしい。
砂糖も、マニュアルから逸脱できない私は、レシピ通りにてんさい糖を使ったが、地方地方で、黒砂糖であったり、和三盆を使ったり、様々だ。
中に入れたり、混ぜたり、上にのせたりするものも、小豆、栗、桜あん、抹茶など多彩で、形も棹形だけではなく、棒状だったり、板状だったり、一口大だったり、これもそれぞれの特徴に応じていろいろあるらしい。
これで、無駄にプレッシャーがかかってしまった。一旦天井まで上がったテンションが、急速に落ちてくる。
グズグズ言わずに、早く作れば、という家人の無言の圧力を感じて、作り始める。 作り始めれば、簡単なのだ(と思うことにした)。
材料は、米粉100g、りんご100g、サツマイモ100g、てんさい糖70g、蜂蜜10g、水260g。
りんごとサツマイモを1cm角(皮ごと)に切り、蜂蜜と100gの水で煮詰める。
米粉とてんさい糖をボールに入れて、残りの水で溶く。
煮詰めたリンゴとサツマイモを入れて混ぜる。
底にオーブンシートを敷いた型に流し込む。
蒸気の上がった蒸し器に入れて強めの中火で50分~60分蒸す。
ほら、簡単じゃないか、と思う先から、リンゴとサツマイモの煮詰め方はこれでよいのか、とか、50分~60分とあるが、柔らかめの50分がよいのか、しっかり60分蒸した方がよいのか、と心配事が押し寄せてくる(もちろん、家人は呆れている)。
蒸し器の前に佇むこと50分、蓋を開けてみるとどうも水っぽい。さらに10分。まだ水っぽい。うーむ。こんなものでいいのか。1分ぐらい悩んだが、意を決して蒸し器から型を取り出した。盛大に湯気が上がっている。色合いは良し。さて、さて、どうなるか。
結果は、下の写真の通り。切ったものを並べたのは、多少事情があるので、察してください。でも、味はなかなか。次の日、家人の実家にお裾分けした。メデタシ、メデタシ!