久しぶりに書店に足を運んだ。文庫本の小説を4冊、コンピュータの本1冊、パン作りの本1冊、料理本1冊、美術関係の本1冊。散財だが、まだ続くであろう巣ごもり生活の準備のためには仕方がない。
店に長居は迷惑なので、買い物は30分以内と決めていたのだが、料理本のところでつまづいた。買うと決めていた本はあったのだが、いざ買おうとレジに向かったところで躊躇するところとなった。
買いに行った本は、話題になっている山本ゆりさんの大ベストセラー「syunkonカフェごはん 」のシリーズだ。シリーズが並んで平積みしてある。一冊を手に取ってみる。売れてる本は、やはり魅力がある。ビジュアルも良くて満足した。
すると、その横に先日家内が買ってきた本が、同じように平積みしてある。人気NO1!
のポップが立っている。『世界一美味しい手抜きごはん 最速!やる気のいらない100レシピ』(KADOKAWA)だ。これも大ベストセラーになっているはずだから、平積みで当然だろう。
そのほかにも、何冊か平積みしてある。何気なく眺めているうちに、ふと気づいたことがある
「手間いらず」とか「めんどくさくない」とか「最短で、最高のレシピ」「楽してウマい」というような、文句が題名か帯に入っている本が多いことである。
前記の挙げた本が売れているから、似たようなコンセプトの本が増えるのも当然だし、また需要もあるのだと思う。実際、『世界一美味しい手抜きごはん 最速!やる気のいらない100レシピ』(KADOKAWA)は、使ってみると、私でも手際よくできるし、しかも作った者はどれも美味しかった。忙しい主婦には、ぴったりの良書だと思う。
だけど……。経験も浅く、技量も低く、右手が多少不自由だが、時間だけはたっぷりとある、私のような主夫には、ぴったりすぎはしないか。ちょっと自分を甘やかしすぎるのではないか。
それに、以前にも記事の中に記したが、ウチはよく食べる高校生の息子と、あまり堅いものが食べられなくなっている95歳の父の双方にあった料理が求められている。私も立派な老人だが、父はもう大老人だから、塩分も控えねばならない。
そんなことを考えていると、もう一冊目立つところに平積みしてある料理本に目がいった。『はじめてでもおいしく作れる和食』(家の光協会)
かなり分厚いが、定価は1600円。よく、テレビで見かける笠原将弘さんが、中心になって編まれているようだ。
写真は鮮やかだが、中身はごくオーソドックスなレイアウトで、選ばれている料理も、和食の基本的な家庭料理ばかりだ。出汁の取り方や野菜の切り方など、基本中の基本も丁寧に取り扱っている。
メニューも多くて、ちょっとした辞書がわりにも使える。
これにした。
私のような者にとっては、時短本も大事だが、こういう本もありがたい。まだ、家内には見せていないが、さて、彼女はどう評価するだろう。
後記
以前、ホットケーキ粉で簡単に作れるお菓子のレシピ本を読んで、いくつか作ったのだが、確かに簡単だが、何を作ってもホットケーキの味がする感じがして閉口したことがある。
ヘボな料理人に王道も脇道もないのだが、とりあえず、ゆっくりと歩ける道の方が長続きするような気がしている(年齢を考えると、長くもないのだが)。